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旅と読書と美味しいものと。

格安SIM(MVNO)はいいのか悪いのか:メリット/デメリットは?

みなさんは、スマホの通信契約にどのキャリアを利用していますか?

ドコモ?auSoftBank

毎月の料金が高いと感じている人はいませんか。

最近、通信業界では、"MVNO"という言葉をよく耳にします。これは、「Mobile Virtual Network Operator=仮想通信移動体」の略称です。

巷では"格安スマホ"という表現で説明されることの方が多いですね。

私自身、MVNO契約に切り替えていることもあり、興味のある方からいろいろと質問を受けることが多いです。

そこで、MVNOのメリット/デメリットをまとめてみました。

こちらを読んで、まずは自身のニーズに合っているかどうかを確認してみてください。

 

 

そもそも MVNOとはなんなのか?

MVNOは、上述の通り「Mobile Virtual Network Operator=仮想通信移動体」の略称です。

これがなんなのかというと、基地局等の通信設備を持たず、各キャリア(ドコモ、auソフトバンク=MNO)から借り受けて事業を行う通信事業者を指します。

MVNE、MNO、MVNOの図

引用:総務省ガイドライン

多くの事業者はドコモから通信帯域を借り受けて、サービスを提供しています。

通信設備の投資負担がない分、顧客の通信料金も安く設定されます。

 なお、「格安スマホ」という表現もほぼ同義ですが、この場合はY!mobileUQmobileを含んでいます。この2社は、auソフトバンク系列の「格安スマホ」としてサービス展開していますが、厳密にはMVNOではありません。

2社は、自社通信帯域を保有しており、自社の通信サービスとして提供しています

しかし、ユーザーからすれば、キャリアの高価なサービスとそれ以外という認識で問題ないため、そこまで意識する必要はないです。

 

MVNOにするメリット/デメリットは?

MVNOのメリット

①通信料金が安くなる

上述の通り、自社で通信設備を持たず通信帯域も借り受けて提供するビジネスモデルのため、その分投資コストが抑えられます。

結果として、顧客に提供する料金も安くなります。

MVNOを利用する一番のメリットはこの価格面だと思います。

通話をほとんどしない、動画や音楽も利用しないという方であれば、月額1,000円弱で済む場合もあります。 

 

②価格構成は積み上げ型

 MVNOの初期料金は、基本的に無駄を極限まで省いた通信のみとなっている場合が多いです。

www.ntt.com

参考にOCNモバイルONEの料金表を載せておきます。

どこもそうですが、通信と通話は別契約になることが多いです。

自分に必要な機能を積み上げていって価格が決まるので、不要な機能分の価格が入り込みにくくなります。

 

③無駄なアプリがない

キャリアで通信契約+端末購入を行った場合の地味なストレスポイントとして、個人的にはキャリア特有のアプリがプリインストールされてくる点があります。

しかも、アプリの中には削除できないものもあります。

MVNOであれば、端末は原則別売であり、端末に不要なアプリがインストールされている状態は回避できます。

 

④解約・契約変更がしやすい 

キャリア契約の場合、原則が2年契約であり端末を同時に割賦で購入することから2年以内に解約すると、解約手数料+割賦残債という重い負担が発生します*1

MVNOの場合、契約当初の1か月間の拘束期間はありますが、それ以降はいつでも解約可能です。また、各MVNO事業者からSIMフリー端末*2を購入することもできますが、いずれにしても自身で端末を調達することが必要なぶん、解約時の残債支払いなどの面倒はないです。

各社によって、通信制限等細かな設計が異なるため、使ってみて合わなければ改めて契約変更してみるのも簡単です。 

 

MVNOのデメリット

①通信が安定しない

MVNOは、帯域をキャリアから借り受けるというビジネスモデル上、通信が安定しません。各社のHPに通信速度の記載があり、速度を競っている節がありますが、どこでも共通しているのは、

・人の多いところに行くと速度が急激に落ちる(速度の遅い帯域にはじき出される)

・利用者の多い時間帯(オフィス街のお昼など)は速度が落ちる

といった点です。

 

②家族が多いと料金が割高になりうる

1契約で見た場合には、通信料金だけであれば劇的に下がると思っていただいて問題ありません。しかし、複雑なキャリア料金と比較した場合、ときに逆効果の場合もあります。

・最新機種など高価な端末を買った場合

キャリアの月額料金には端末料金が含まれており割引もあります。SIMフリー端末は、若干割高であることもあり、合計で考えると、実際は高くなっている可能性があります。

・家族が多い場合

キャリアの家族割は非常に効果的です。家族が3人以上いて、全員で同一キャリアを利用しているのであれば、MVNOに変更するメリットは薄い可能性が高いです*3

 

③端末料金が初期コストとして発生

上述の通り、MVNOの利用にはSIMフリー端末を用意する必要があります。どこで購入するかにもよりますし、どのレベルの端末を購入するかにもよりますが、割賦契約の対応がされていない場合、初期コストとして数万円発生することになります。

ただし、最近はSIMロック解除が依頼できるようになりましたので、これまで利用していた端末を使うのもアリです。

ちなみに、私は、アップルストアから直接SIMフリー端末を購入しています(割賦でも買えます)。

 

④基本的に手続きは自分で

これは、リテラシーの問題ですが、基本的な契約手続に始まりトラブル対応まで、基本的に自分で調べて対応をしなければなりません。

最近は、家電量販店や路面店舗でMVNOを専門に扱うエリアも増えてきました。動詞あても、自分だけでは対応が難しい場合は、こういった店舗のスタッフさんに助けを求めるのも一考です。ただし、こういった店舗のスタッフは、各MVNOの専属ではないことも多く、それぞれの細かな手続などには詳しくないことも少なくありません。

フルラインナップのサービスを求めるのであれば、素直にキャリアを選ぶのがよさそうです。

 

⑤小さな会社は信用不安も

 企業側からすると初期投資を少なく始められることなどもあり、MVNOサービス提供者は無数に存在します。MVNOの業界動向は、後で詳しく考えますが、もともと薄利多売のビジネスモデルであるところに、事業者が大挙して押し寄せたため、競争が激化しています。

今後は、小さな会社については、サービスの存続も危うくなってくるものと推測しています。他社への乗り換えは簡単とはいえ、いまやライフラインの1つとなったスマホ通信が一時的にでも停止することは避けるべき事態であると思います。

また、いくら初期投資が不要といっても契約者の増加に合わせて事業者側サーバの増設などの設備投資は随時発生します。そういった点でも、一定の資本力がなければサービスの質を維持できなくなります

その点では、一定程度の信用力(破たんの懸念が低い)のあるサービスを選ぶほうがよさそうです。

 

⑥LINEのID検索ができない

非常に地味なデメリットです。MVNO契約では、LINEの本人確認に必要なキャリアでの本人確認との整合チェックを満たせないため、ID検索ができません。

QRコードで事足りるんですが、MVNOを知らない人にこの事実を説明するのが結構面倒です。

 

おすすめのMVNOは?

MVNOを提供する企業は無数にあるのは、ここまででも言及してきました。

ここでは、その中でも①提供会社(信用力)②料金③通信の安定性④特徴からおすすすめを5社挙げておきます。

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・OCNモバイルONE

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NTTコミュニケーションズ(NTT子会社)が提供。紹介している中では、若干料金が高いです。しかし、固定通信をOCNで契約している場合、セットで割引になります。

また、050電話アプリが150円/月使えます。ただ、通信がポンコツなので使い物になりません。

通信速度は"遅い"となっていますが、webを見る程度であればそれほど気になりません。動画・音楽は苦しいです。

 

IIJmio

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ネットプロバイダーの老舗インターネットイニシアティブ(IIJ)が提供しているMVNOです。ネットワークサービスの老舗なので通信に対する評価は高いほか、通話についても他社と比べかけ放題プランが充実しています。

 

楽天モバイル

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楽天が提供するMVNOサービス。利用者数は、かなり多いようですが、それに合わせた設備投資がされていないのか、通信速度の評判はあまりよくありません。

しかし、直近でプラスワンマーケティングのサービスを買収したほか、キャリア事業への参入も発表したため、携帯事業には本気のようです。

www.nikkei.com

楽天スーパーポイントが支払に利用できるため、楽天経済圏で消費する人にはおすすめです。

 

BIGLOBE

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もともとは、インターネットプロバイダだったBIGLOBEが提供。

BIGLOBEはファンドによるvalue-upを経て現在はKDDI傘下です。

trendy.nikkeibp.co.jp

特徴は、Youtubeなど特定のアプリを利用している間のパケットを消費カウントしない"エンタメフリープラン"です。動画や音楽など、パケットを食うコンテンツ系アプリをよく利用する方は一度チェックしていただきたい。

 

・mineo

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ケイオプティコムによる提供。当社は関電の子会社です。珍しい電力系のMVNO

そして現状唯一のマルチキャリア対応MVNOです。

MVNOの多くは、ドコモから通信帯域を借り受けています。特にそれ自体が問題になることはありませんが、中古端末を購入する場合など、もともとau端末だったものは使えない場合がある、といったことがあり各社独自で動作確認を行っていました。

mineoの場合、docomo回線に加え、au回線のプランもあるので、もともとauユーザーでdocomoで現在の端末が使えるか不安な方は、auプランで契約することができます。

ソフトバンクユーザーの方は頑張ってください。

 

 

補足として、通信速度に関しては、実際に調査しているものが結構あります。

mobareco.jp

調査によって、ばらつきがあります*4が参考にしてみるとよいと思います。

 

今後MVNOはどうなるのか?

 MVNOは通信設備の初期投資がほぼ不要で事業を始められるため、利用者の認知度が高まっていくに従い、急激に事業者が増えました。

今ではサービス提供者は500社にも上ると言われています。

また、契約者数はエンドユーザーレベルで2016年12月には、819万契約にまで増加しています。

引用:ICT総研|市場調査・マーケティングカンパニー

 

また、総務省の調査によると、2016年のMVNO契約数1,485万契約は、移動通信契約(1億6,700万契約)の約8.9%まで成長しています。

www.soumu.go.jp

しかし、FREETELブランドでサービス提供していた、プラスワン・マーケティング楽天MVNO事業の譲渡を発表するなど、過当競争の様相を呈しています。

www.nikkei.com

 キャリアの攻勢が強まる一方であることも考えると、今後はより競争が激化し、事業者は淘汰されていくのでしょう。

ユーザーとしては、事業者の選別に注意が必要です。

 

また、サービス面では、料金一辺倒だった競争がより多様化してくると考えられます。

そのために重要なのが、①顧客管理システム(HLR/HSS)のアンバンドリング化②eSIMです。

 

 ①顧客管理システムのアンバンドリング化

これまで、MVNOに加入する場合であっても、実際のSIMカードは事業者が各キャリアから借り受けたものであり、顧客情報はキャリア側で管理(MVNO事業者も閲覧可能)していました。

顧客管理システム(HLR/HSS)をMVNO自身が保有することで、自社がSIMカードを発行し顧客情報の管理を行うことができます。

そうなると、例えば自社独自の通話サービスなど、サービスの幅が広がる可能性があります。

また、地味なデメリットだったLINEのID検索もおそらく可能になります。

www.itmedia.co.jp

 

②eSIMの提供

eSIM(Embedded Subscriber Identity Module)は、外部からのリモート操作で通信事業者の切り替えができる組み込み用SIMのことです。

eSIM化することで、より通信環境のよいキャリアに自動的に切り替えを行うなど、キャリアをまたいだサービスの可能性も開かれます。

simchange.jp

 

今後はIoT製品の増加も想定されており、通信の重要性は増すばかりです。

キャリアが独占する市場において、MVNOが存在感を増し、ユーザーにとってより良いサービスが生まれていけばよいなと思います。

*1:私がキャリアからMVNOに変更したのが約4年前であり、現在は契約内容が変わっているかもしれません。

*2:ャリアで購入できる端末には他社のSIMを挿入しても操作できない"SIMロック"がかけられています。そこで、当初キャリアからMVNOに変更するときには、SIMフリーの端末を調達する必要があります。最近では、キャリアに依頼することでSIMロックの解除を行うことができます。

SIMロック解除の手続き | お客様サポート | NTTドコモ

*3:キャリアの割引制度は非常に複雑であるため、一度店舗で確認してみてから変更を検討してみるほうが良いと思います。

*4:実際、OCNモバイルONEは相対的に"遅い"分類ですが利用していて、そこまでフラストレーション溜まることはないです。昼時とか人が多いと終わってます。

【映画】- 33 『羊の木』 罪の十字架を背負った人々の再出発を阻む壁

※この記事は、映画の内容について若干のネタバレを含みます。ネタバレを好まない方は映画を見た後お読みください。

 

新年から邦画が豊作の予感ただよう2018年、3作目は『羊の木』を見てきました。

hitsujinoki-movie.com

 

原作はマンガ

原作は同名のマンガですが、内容はかなり異なるようです。

clippy.red

映画では、市役所の月末(つきすえ)と6人の犯罪者、そして月末の幼馴染の文(あや)が中心的な登場人物です。

一方、原作では、魚深市に転居してくる元犯罪者は11人います。また、文が登場しないだけでなく、そもそも主人公は市長(鳥原)です。

映画化にあたって大幅な変更が加えられたようです。

 ただ、魚深市が元受刑者を受け入れる更生プログラムで起こる事件を描いている点では同じです。

 

タイトルの意味に関する考察

"羊の木"とは何を意味しているのでしょうか?

作中に出てくる"羊の木"のモチーフ

f:id:hiroki0412:20180204002111p:plain

 引用:amazon

 

“羊の木”で検索しても該当する内容が出てきませんでしたが、"羊の木 伝説"で検索すると、バロメッツというそれらしいものについて解説がありました。

 

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スキタイの羊、ダッタン人の羊、リコポデウムとも呼ばれるこの木は、本当の名を「プランタ・タルタリカ・バロメッツ」といい、ヒョウタンに似ているものの、引っ張っても曲がるだけで折れない、柔軟な茎をもっているとされた。

時期が来ると実をつけ、採取して割れば中から肉と血と骨をつ子羊が収穫できるが、この羊は生きていない。実が熟して割れるまで放置しておくと、「ぅめー」と鳴く生きた羊が顔を出し、茎と繋がったまま、木の周りの草を食べて生き、近くに畑があれば食い散らかしてしまう。周囲の草がなくなると、やがて飢えて、羊は木とともに死ぬ。ある時期のバロメッツの周りには、この死んだ羊が集中して山積みになるので、それを求めて狼や人があつまって来るのだと言う。この羊は蹄まで羊毛なので無駄な所がほとんど無く、その金色の羊毛は重宝された。肉はカニの味がするとされた。

出典:wikipedia

 

羊は、おとなしく従順な家畜であり、人間にとっては羊毛や羊肉という自然の恵みを与える動物です。

 

 本作では、6人の元受刑者が登場します。劇中で明かされますが、全員が殺人犯でした。うち5人は魚深での新たな人生をスタートするため、周囲の目に立ち向かいながら新たな生活に溶け込めるよう努力します。

しかし、1人だけ「人殺し」という過去から全く変われない人物がいます。

 

これらのことから、5匹の羊=再出発した元受刑者たちを象徴していると考えられます。

5匹である理由は、うまく更生に成功し魚深に恵みをもたらすのが5人であり1人はそうではない、ということを暗示しているのではないでしょうか?

 

そしてもう1つ、映画開始冒頭に以下の文章が引用されます。

その種子やがて芽吹き タタールの子羊となる

羊にして植物

その血 蜜のように甘く

その肉 魚のように柔らかく

狼のみ それを貪る

「東タタール旅行記」より

出典:『羊の木』HP

基本的には、"羊の木"の概念と同様の趣旨を述べています。

このうち、「狼のみ それを貪る」という文章。

上述のバロメッツに関する説明にもありますが、この羊の木は狼を惹きつけるようです。

 

6人のうち、1人が今なお殺人者であるーー。

 

「羊の皮を被った狼」という表現がありますが、羊の木と狼の関係性が服役を終えてもなお人を殺すサイコパスの存在を暗示しているように思います。

 

まとめ:社会の病理を凝縮した作品

本作は、現代の日本社会が抱える病理を凝縮しています。

 

受刑者収容の重い税負担、元受刑者の更生、被害者家族による犯罪の連鎖、過疎化、DV…

 

6人の登場から、不気味な言動、起こってしまった事件ーー。

サイコサスペンス的展開の中で描かれる、それぞれの背景や社会の認識に目を向けると、我々が解決しなければならない問題を多く孕んでいることがわかります。

 

また、身近にいる人の身元が実はよくわからず、疑心暗鬼に陥るさまは『嘘を愛する女』にも通じる"人を信じることの難しさ"を教えてくれます。

 

hiroki0412.hatenablog.com

 基本的には、日常に入り込んでくる殺人鬼というハラハラドキドキを楽しむ映画ですが、その過程で描かれる日本が抱える課題についても改めて考えるきっかけを与えてくれる作品かもしれません。

 

ちなみに、映画のラストは意外とあっけなく終わります。

途中から何となく展開も読めてしまいますが、そこはご愛敬。

内容的には、『悪の教典』のようなサイコパス作品を期待しましたが、若干中途半端でした。

 

悪の教典

悪の教典

 
悪の教典〈上〉 (文春文庫)

悪の教典〈上〉 (文春文庫)

 

 

google Homeを買って未来を感じてみた

最近、仕事でIoTサービスについて調べることが多いので、自分でも使ってみることにしました。

まずはAIスピーカーから。 

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IoT戦国時代

 通信コストの低廉化に合わせて、家庭向けにもIoT製品がどんどん発売されています。

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出典:https://robo-lib.com/

ただ、1つ1つの製品はすごく単機能です。

例えば、スマホからカーテンの開閉を指示出来たり電気のon-offを指示出来たり…

「カーテンなんて自分で開閉すればいい」「電気はリモコンあるじゃん」というのは、まず思うところですが、本当に効果が発揮されるのはそれぞれが連携して動作するときです。

そして、その際に重要になるのは、各IoT製品を束ねる中央コントローラーであり、その1つが各社注力しているAIスピーカーです。

 

AIスピーカーはどれがいいのか問題

AIスピーカーは、大所(GoogleAmazonなど)がどこも発売しています。

結局どこがいいんでしょう?

すでに比較をしてくれている方がいるので参考に載せておきます。

freelifetech.com

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引用:スマートスピーカー(AIスピーカー)を比較、現時点のおすすめはどれ?

私がGoogle Homeを選んだ理由は、①もともとChromecastを愛用していたこと②PrimeVideo<Netflixであったことなどが理由です。

これからもAIスピーカーは様々な企業が製品をリリースするのではないかと思いますが、自分のよく使うサービスとの連動具合を先にチェックしながら選ぶのがよいと思います。

 

Google Homeの感想

 まだ利用を始めて数日ですが、いくつか気づいたことがあるのでまとめておきます。

まずは出来そうなことをイメージしてみることが大事

 Google Homeは、本体に声(音声)で指示を出し、その指示をスマホにインストールするアプリ経由で様々な外部アプリと連携することができます。

しかし、たとえ連携可能なそれぞれのアプリを登録していたとしても、アカウントの紐づけ(Homeアプリ内での連携設定)を行わなければうまく動作しません。

まずは、「これって指示できるのかな?」と思うプロセスをイメージして(ex.Netflixで『デビルマン』再生)、そのために必要なアプリと連携しているのかどうかを調べてみるのがよさそうです。

 

さらに、IFTTTを活用することで直接Homeと連携していないアプリや挙動も実現できるようです。

ifttt.com

現状のIFTTT経由連携先は、twitterやメモなどテキストアプリが中心のようです。

これまでも、IFTTTは使いようによって圧倒的な力を発揮するアプリとして様々な場所で紹介されていましたが、今後IoT製品が増えてくるとますますその重要性を増しそうです(これまで自分は全く活用できてないので勉強したい…)。

 

こちらも理解しやすい表現を心がける必要がある

 同じことを指示しようとしても、うまくいかない場合があります。

「OK,Googleポプテピピックつけて」→うまくいかない

「OK,Googleポプテピピック再生」→Netflixポプテピピック再生

"どのアプリで"、"何を"、"どうする"をきちんと指示すれば、ほぼ確実ですし、"何を"と"どうする"が正確で、"どのアプリ"がある程度特定されていれば自動で実行してくれるようです。

 

毎度の「OK,Google」が結構面倒

 実は、一番致命的な点だと思うのは、すべての挙動指示前に必ず

「OK,Google

というInputが必要ということです。

例えば、ニュースを確認する、音楽を再生するなど、1度ごとの動作であればそこまで気になりません。

これが、「再生中の音楽を停止し、ドラマに切り替える」といった複数の動作指示を連続して実行する場合には、結構ストレスです。

毎回、初期認識に1~2秒かかるため、まだまだ自分の手でやっちゃうほうが早いことも多いです。

 

指示なのかどうかの判別を行うために必要なこととはいえ、今後の開発で最初の指示後一定期間はスリープ状態で指示待ちなど、連続した指示を行いやすい形になればより利用しやすくなるように思います。

 

つながればつながるほど便利になる、それがIoT

いま私の家でつながっている家電はスピーカーとテレビ(Chromecast)だけです。

しかし、今は、住宅向けにも様々なIoT製品が実用化されています。

www.ninjalock.me

ascii.jp

IoT製品は、単体ではそれほど万能ではありませんが、複数がつながることでより大きな性能を発揮します。必ずしも家電がネット通信対応になっていなくてもリモコンを替えるだけで連動できたりもするようです。

まずは色々な家電を繋げるように設定するのが直近の目標。

また、使っていくうちに、想像していなかった使い方を発見できそうなのでどんどん使い込んでいきたいです。

 

※補足

この記事を書いているちょうどその日に、日経で発売当初にGoogle Homeを買った記者の記事がありましたがどうも私と同じような理由ですでに使わなくなっているようです。

www.nikkei.com

使いこなすには、ユーザー側にもそれなりの想像力が求められそう。

【映画】- 32 『オリエント急行殺人事件』アガサ・クリスティーの名作を豪華キャストで

※この記事は、映画の内容について若干のネタバレを含みます。ネタバレを好まない方は映画を見た後お読みください。

東京が大雪だった日、定時に会社を出れたのはいいものの電車に乗れず、急遽『オリエント急行殺人事件』を見てきました。

www.foxmovies-jp.com

 

オリエント急行とは?

まず、本作の舞台である"オリエント急行"についておさらいしておくと、ヨーロッパとアジアの結節点であるトルコ(イスタンブール)からヨーロッパ各地(カレー、パリ、ベルリンなど)を結ぶ複数の路線を指しています。

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出典:オリエントエクスプレス イスタンブール駅: オリエント急行路線図

本作で舞台になっているのは、イスタンブール発カレー行きの路線です。

wikipediaによると、該当路線は2009年で廃線になってしまったようです。残念。

 

アガサ・クリスティーの名作

本をあまり読まないという方でも、"アガサ・クリスティー"という推理作家の名前は聞いたことがあるのではないでしょうか?

その知名度では、エドガー・アラン・ポーアーサー・コナン・ドイルなどとも並ぶと思います。

 

本作は、アガサ・クリスティーの代表作の1つ。イギリスで出版されたのは1934年と83年も前のことです。

彼女の作品で主人公を務めることの多い、ポアロ。長編33作品に登場しています。

全部読んだことがないんですが、『アクロイド殺し』とかは面白かったです。

 

まとめ:なぜ今映画化するのか?

本作については、正直内容面で触れることがないので、この1点のみ。

 

なぜ今映画化するのか?

 

この点についてもう少し考えてみます。

海外の有名作品は時代を経て何度も映画化されることが多いですが、本作も例外ではありません。

本作は2回目の映画化で、前回は約40年前の1974年でした。

出版年から考えると

1934→(40年)→1974→(約40年)→2017

ちょうど40年周期です。

この疑問を考えるにあたり、面白い記事がありました。

cinemore.jp

この記事によると、キャラの特徴が強調されているなど前回の映画化と比較してもいくつかの違いがあるほか、冒頭には原作にないポアロの推理シーンが挿入されています。

 

これは、そもそも原作(ないしはアガサ・クリスティーポアロシリーズ)に触れたことのない層がメインの顧客層として意識されていることが要因でしょう。

そして、これを踏まえて原作から今回のリメイク映画までの40年周期に戻ってみると、おそらくは親から子への世代交代のタイミングと一致する時期に作品が作られたのだろうと推察されます。

少し、想定を置いて、世代と作品の時期を比較してみました。

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3世代でやってみたところ、40年周期だと徐々にずれが出てきてしまうようです…

ただこうしてプロットしてみると、”次世代に名作を伝える”という点で定期的に作品がリメイクされているという仮説はほかの作品も含めて検証してみたいです。

 

もう1つこの記事で面白かったのは、キャストについて。

本作のキャストはとにかく豪華です。スターウォーズで一躍スターとなったデイジー・リドリーからジョニーデップまで。本当に多彩な人々が名作を演じています。

これは、単に「金満映画だ!」という考え方もありますが、ミステリー特有の「誰が真犯人かわからなくするため」という意味合いもあるようです。

所見の人たちにとって、キャストで何となく犯人が想像できてしまうと、楽しみが減殺されてしまいますので、その点でもかなり配慮がされているようです。

 

だからこそ、原作もましてやアガサ・クリスティーの作品いずれも読んだことがないという方たちにぜひ足を運んでいただきたい映画だと思います。

 

※補足

ポアロ作品では、『オリエント急行殺人事件』の続編にあたる『ナイルに死す』も映画化が検討されているようです。

こちらは、私も原作を読んだことがないので、読んでから見るか見てから読むか悩ましい…

 

 

ciatr.jp

 

 

 

 

ナイルに死す (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

ナイルに死す (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

 

 

 

なぜ今さら山田孝之と長澤まさみがベタベタ恋愛映画なのか?

東京が記録的豪雪に見舞われたその日。

会社から早期帰宅命令が出たため、私は定時に会社を出ました。

 

早く帰ってネットフリックスで『デビルマン』でもみようとのんびり構えていました。

しかし。

普段なら、自由に座席を選べるほどに人の少ない電車と駅が、まっすぐ立っていられないほどの人で埋め尽くされていました。

みんな帰宅の指示を受けて一斉に帰り始めていたようです。

 

私は早々に帰宅を諦め映画館に。

特に見るつもりもなかった、『オリエント急行殺人事件』を見て帰宅。

 

↑ここまで前置き。

↓ここから本題。

 

上映前CMで妙に気になった作品が1つ。

www.50kiss.jp

6月公開の『50回目のファーストキス』。

ああ…また、ベタベタの恋愛映画か、という感じですが…

 

気になったのは、キャストです。

主演:山田孝之 長澤まさみ

………。いまさら???

なんかこういう純愛系って売れ始めた20代の人たちが主演を張るんじゃないかな?

 

情報を追加してみます。

主演:山田孝之(34) 長澤まさみ(30)

なんでいまさらこの二人???

ちなみに悪意は全くありません。一番好きな女優は長澤まさみですし、山田孝之も演技が個性的なので大好きです。

 

ただ、2人とも純愛作品は普通の20代でこなしたうえで、ヨシヒコなり銀魂のお妙なりちょっと振り切ってるステージ。

「ヨシヒコ」の画像検索結果

f:id:hiroki0412:20180123213117p:plain

 

あまりにもピュアそうなこの作品の内容と、この配役は一体…???

そして、ここで1つつなぐものを発見しました。

脚本・監督:福田雄一

どこで聞き覚えがあるのかとwikipediaでしらべてみたら、ドンピシャで『勇者ヨシヒコ』と『銀魂』の脚本(および監督または演出)をされてました。

だからこそ、この2人が選ばれたのかもしれません。

 

そしてもう一点。作品についてもwikipediaで調べてみると、邦画はリメイクで原作はアメリカの映画だそう。そして、概要を見ると、

舞台はハワイ。記憶障害で前日の出来事を全て忘れてしまう女性と、そんな彼女にアタックを続ける男性との恋の行方を描いたラブストーリー。

ウェディング・シンガー』以来の再共演となるアダム・サンドラードリュー・バリモアロマンティック・コメディ

出典:wikipedia

そもそもコメディでした。

 

ここまでの内容を整理すると、コメディタッチが得意な監督が、演技の幅を広げコメディ調も演じられる俳優陣をそろえて、コメディ恋愛映画を作ったということになります。

しっくりきました。

 

一方で、日本ではあまりラブコメで人気タイトルは多くないように思います。

本作がどのような作品になっているのか単純な純愛映画ではなくラブコメとしても楽しみです。

 

『50回目のファーストキス』は2018年6月1日公開です。

【映画】-31 『嘘を愛する女』真実の中の愛

※この記事は、映画の内容について若干のネタバレを含みます。ネタバレを好まない方は映画を見た後お読みください。

上映開始当日にわざわざ見に行くことはあまりないですが、『嘘を愛する女』見てきました。

ナイトシアターでしたが、意外に9割埋まってました。 

 

 

実際の事件をもとに作られた

本作、自分の愛する人のすべてが"嘘"だったという衝撃的な内容ですが、さらに衝撃的なのは、実際の事件が下敷きになっているということです。

 

…五年間連れ添った夫が、五十歳で病死しました。そこで、奥さんが区役所に死亡届を出そうとしたところ、本人の戸籍がそこにはないことが分かったのです。奥さんが持っていた戸籍抄本のコピーは偽物だったのです。

 実は夫が亡くなる前にも、不自然なことがありました。病状が悪くなる一方なのに、夫は絶対に病院に行こうとはしないのです。そこで奥さんが不審に思って、夫の勤務先である大学に問い合わせたのですが、そういう職員はいないとのことでした。夫の身分証明書が偽物だと分かったとき、亡くなる前の夫を問いつめたことがありました。しかし、夫は死ぬ間際に「死ぬしかなかった。本当は生きていたかったんだ」とだけ言い残して亡くなりました。奥さんは、警察に相談したりしていろいろと調べたのですが、夫の身元について手がかりになるようなものは何もありませんでした。夫はいったいどこの誰だったのでしょうか。

 夫だった男は、おそらく苦労して自分の出生の物語を創作したのでしょう。戸籍抄本を偽造し、身分証明書を偽造し、自分の人生そのものを偽造したのです。こうして、つじつまの合う物語を作ることで、彼は奥さんを欺いて結婚することが出来たのです。おそらく彼には隠さなければならない過去があったのでしょう。そして、嘘の物語を作ることでしか結婚できないと思ったのでしょう。そして、実際に彼は奥さんと結婚して、五年間の幸せな人生を手にすることが出来たのです。しかし、健康保険証を持たない彼は、病状が悪化するにもかかわらず、嘘を貫くために絶対に病院に行こうとはしなかったのです。そして、最後まで自分の正体を明かさなかったのです。しかし彼の心には、嘘をついた罪を背負わなければならない悲しみと、出来ることなら本当の人生を生きたかったという、かなうことのなかった、はかない思いが交錯していたことでしょう。「死ぬしかなかった。本当はもっと生きていたかったんだ」という彼の最後の言葉は、謎に満ちた彼の人生そのものではないでしょうか。いったい本当の彼は、どこで生まれて、どのように育ってきたのでしょうか。本当の出生の物語は、いったいどんなものだったのでしょうか。しかし、彼は真実を明かさぬまま、多くの謎を残してこの世を去っていったのです。…

出典:出生の秘密とその物語

現実の事件では、旦那さんの本当の素性は明かされないままだったようです。

自分が愛したその人が、自分に嘘をついている。自分の知っている人は、実は存在しない…

実際に直面した時、この現実は受け止めきれるものなんでしょうか?

 

小説と映画の違い

小説版と映画版では、ストーリーの根幹に違いはないものの、キャラや一部の流れに違いがあります。

 

まずは、由加利(長澤まさみ)の母への紹介に現れなかった桔平(高橋一生)が見つかった場所。

小説版では、新宿駅のホームで倒れた桔平は発見され、故郷に移るまでメインの舞台は新宿でした。映画版では、由加利の家付近の公園で桔平は発見されます。新宿は舞台として全く出てきません。

 

また、映画版では心葉(川栄李奈)が追加キャラとして登場。由加利が知らない桔平の一面を知る人物としてキーマンとなっています。

しかし、小説版で探偵である海原(吉田鋼太郎)が探偵として探し出した多くの情報を、心葉から受け取るという奇異な状況にあえて設定変更する必要があったのか疑問が残ります。

 

最後に、映画版ではキャラクター全体の由加利に対する対応がより厳しいものになっているように思いました。

例えば、職場の同僚の綾子(野波麻帆)は、小説版では桔平の嘘を解き明かそうとする由加利をフォローする良き友人です。しかし、映画版では、職場での地位を奪おうとするなどライバルとしての位置づけがより強く描かれています。

また、映画版のみに登場する心葉も、桔平をひそかに愛していた人間として、恋人である由加利に対しては対抗心をむき出しにします。

由加利は、こうした周囲の人々との軋轢と桔平への猜疑心の中で、"本当に桔平を愛していたのか"と自分に問いながら、悩みながらも真実を解き明かしていきます

 

バリキャリの恋愛観

本作、バリキャリの恋愛観という観点でも興味深い点があります。

 

由加利は30歳前後の設定で、食品メーカーで新商品の企画を担当。20代を仕事に全力で打ち込み、そろそろ結婚も考えようかというタイミングです。妹が先に結婚し家族からのプレッシャーも受けています。

5年以上同棲している桔平は研究医(だと思っていた)。結婚は意識しているようで、それとなくそういった話をしてみるものの桔平はあまりその気がなさそう。

ただし、そういった状況でもちゃっかり合コンには参加。由加利が酔っ払って帰宅し、桔平に介抱される場面がいくつか描かれますが、綾子との会話から実はそのうち1度は合コン帰りであったことがわかります。

 

医者という優良物件をキープしつつ、結婚の可能性を見極めながらほかの選択肢も探し続けるというしたたかさは恐れ入ります。しかし、あくまでも仕事優先で、桔平と対立する様が描かれます。"収入の多い自分が稼ぐ"という意識が会話の随所に現れていて、とても現代的な思考だなと思いました。

 

また、一年ほど前に『モテキ』と『タラレバ娘』を比較して30代男女の恋愛観について書いたことがありました。

hiroki0412.hatenablog.com

 タラレバ娘では、仕事がうまくいくとプライベート(恋愛)がうまくいかない*1という独身女性のジレンマが描かれていましたが、由加利は仕事でも"ウーマンオブザイヤー"に輝き、プライベートでも桔平と幸せな時間を過ごしており、一見すると勝ち組的な人生を送っています。

 由加利の生活は、現代の働く女性が目指す"理想"の表れなのかもしれません

 

高橋一生長澤まさみだと絵面が美しい

 余談ですが、高橋一生長澤まさみが恋人役の映画だと絵面がとても美しいです。「嘘を愛する女」の画像検索結果

出典:長澤まさみ、高橋一生の嘘に号泣!?『嘘を愛する女』最新予告編が解禁! - 日映MovieWalker|日映シネマガ

 

まとめ:自分の愛した存在が嘘でも愛し続けられるのか?

自分の愛した存在が実は虚像だった…

実際の事件をベースにしているだけに現実にあり得ないとも言えません。

実際起こった場合、名前や出生地、仕事など、あらゆるものが嘘だと知ってもその存在を愛し続けるというのは、相当難しいと思います。

ただ、1つ言えるのは、小さな嘘であれ、大きな嘘れあれ、「なぜ嘘をついていたのか?」が重要だと思います。

その嘘の裏にある真実が自分にとってどのような意味を持つのか?

まずは由加利と同じように「なぜ嘘をついていたのか」を突き止めようとするでしょう。

そこにどのような結末が待っていようとも、真実を明かさずにはいられないはずです。

 

愛なき嘘か、愛ゆえの嘘か?

 

嘘を愛する女 (徳間文庫)

嘘を愛する女 (徳間文庫)

 

 

*1:むしろ恋愛がうまくいかないから仕事に全力を注ぐことで結果的にうまくいくということかもしれません

Fintechのカギは資金決済法だと思う

ベンチャー界隈では、Xtechというグルーピングを行うのが流行っていますが、なかでも"Fintech(フィンテック)"という言葉はすでに一般化した感があります。

今回は、Fintechという領域において今後ますます重要になると考えられる”資金決済法”を利用することで、既存の金融機関とFintech事業者のかかわり方が変化しうるということを考えます。

 

 

Fintechの定義

ここで今一度Fintechとはどういうサービスを指すのかおさらいしておきます*1

「fintech カオスマップ」の画像検索結果

出典:日本版Fintech(フィンテック)業界マップ公開 | VC Note

現時点で注目されているFintechのプレーヤーの多くは、銀行等の既存金融機関が行ってきた特定ビジネス領域のうち一部をリプレイスする形で展開しているものが多いと思います。

ベンチャー企業資本力や規制対応のハードル、既存金融機関の新たな収益源への課題感という両面から、その他のイノベーション領域以上にFintechプレーヤーと既存事業者の協業は進みつつあると認識しています。

 

これは両者にとって生存戦略と言えるでしょうが、ユーザーとしては、既存のオペレーションから覆すようなイノベーションが望みにくくなるというジレンマがあります。

 

資金決済法の位置づけ

ここでタイトルですが、この状況が変わりうる1つのカギが資金決済法だと思います。

"資金決済法"というと、マップでいうところの決済サービスに関係しそうな法律ですが、そもそもどういった取引を規制しているのかというと…

 

  • 前払式支払手段発行者(法2条第1項)

前払式支払手段発行者"は、法2条第1項において「自家型発行者(3条第6項)及び第三者型発行者(3条第7項)をいう」と定義されています。"前払式支払手段"に該当するのは、①金額等の財産的価値が記載・記録されること②金額・数量に応ずる対価を得て発行される証票等、番号、記号その他のものであること③代価の弁済等に使用されること、の3要件を満たすサービスです(法2条第1項)。

  • 資金移動業者(法2条第2項)

資金移動業者は、法2条第2項「銀行等以外の者が為替取引(少額の取引として政令で定めるものに限る。)を業として営むことをいう」と定義されています。「少額の取引として政令で定めるもの」とは、100万円以下の取引とされていますので(資金決済法施行令2条 )、銀行免許を取得せずに送金サービスを実施する場合には、100万円以下の送金にサービスの仕様を限定したうえで資金移動業のライセンスを取得することが必要となります。

  • 仮想通貨交換業(法2条7項)

仮想通貨交換業の定義は、①仮想通貨の売買or他の仮想通貨との交換②"①"の行為の媒介or取次ぎor代理③「①/②」の行為に関して,利用者の金銭or仮想通貨の管理をすることを指します(法2条7項)。ここで、①において現物取引が要件となっていることから、差金決済による場合は規制対象とはなりません。

 

上記の3分類に該当する企業は、当該法律に基づいた登録や顧客保護体制の整備が必要となります。

この資金決済法が成立するまでは、銀行業免許を有する企業以外が決済(為替)取引を行うことはできませんでした。

資金決済法により決済が解放されたことで、金融における最も根幹とも言える“顧客資産の預かり”“顧客口座間の資金移動”が事業会社でも行えるようになりました

 

ベンチャー企業が決済ビジネスに取り組む意義

特に大きな点は、預かり金としてキャッシュが自社内に滞留するということです。

まず顧客はサービス利用のために資金をサービスアカウントにプールするでしょう。 

ただ、すべての顧客が即時に決済するとは限らず、企業側から見ると自社内に一定の資金が滞留することになります。

キャッシュマネジメントさえうまく行えば、この滞留資金を次の新規投資に充当することも可能になります。

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"銀行"というビジネスモデルは、個人向けの決済用口座預金や定期預金等の形で低コストの資金を調達し、様々な投資を行うことでリターンを得ています。

決済ビジネスを取り扱うということは低利の資金調達を行うということに等しい効果をもたらしえます。

 

資金決済法のポイント

しかし、必ずしも良いことばかりではありません。銀行においても自己資本比率規制と預金保険機構による預金保護があるように、当然ながら他人の資産を預かっている部分には保護の規制があり、上記の分類合わせて供託義務が設定されています

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 前払式支払手段発行者の場合は、基準日(3月31日及び9月30日)において、前払式支払手段の未使用残高が1000万円を超えるときは、その基準日未使用残高の2分の1以上の額に相当する金銭を、基準日の翌日から2ヶ月以内に、発行保証金として主たる営業所・事務所の最寄りの供託所に供託する義務を負います(第14条第1項、施行令第6条、府令第24条第1項)

資金移動業者の場合は、基準期間*2に、送金途中にあり滞留している資金の100%以上の額*3を、当該期間の末日(同号において「基準日」という。)から一週間以内に、その本店の最寄りの供託所に供託する義務を負います。

 

実際にこの供託義務はベンチャー企業のビジネスモデルにおいても影響を与え始めており、中古品のネットフリーマーケットで国内でユニコーンと呼ぶにふさわしい成長を遂げたメルカリもこの資金決済法の供託義務関係でサービスを若干変更しました。

president.jp

www.nikkei.com

 

名前が紛らわしく勘違いされがちですが、この法の規制に服するかどうかは、必ずしも決済サービスを行っている否かで判断されません

上記メルカリのような、サービスの一部として資金預かりや資金移動と呼べる作りこみがなされている場合、同法の適用可能性が高まります。

サービスのUXを検討する際には、同法の規制を意識しながらプロダクトの全体像を計画しなければ、後々予期しないキャッシュ負担やUXの変更を迫られる可能性があります。

今後のFintechに関する予想

資金移動は、本来的にはどんなビジネスを行う上でも発生しうるものです。

その点を踏まえると、今後は事業会社によるFintechサービスの展開が増えてくるのではないかと予想しています。

これまでも、メーカーにおいては自身の製品を購入するユーザーに自身の子会社を使ってファイナンスするということは決して珍しいことでありませんでした。

例えば、自動車メーカーがtoC向けにオートローン子会社を保有していたり、重機メーカーもtoB向けにファイナンス子会社を保有しています。

こういった流れは、Fintechで見ると、Amazon楽天が出店者向けのファイナンスを行ったり、ZOZOTOWNでツケ払いを行うなどが該当すると思います。

将来的なFintechにおいては、事業会社自身での展開分野がさらに広がり、自社で資金移動まで行うことを含めたサービスの開発が進むことになるでしょう。

 

既存の金融機関との関係では、しばしば「旧弊的な金融ビジネスはFintechにより破綻す

る」と言われますが、私は決してそうは思いません。

toCtoBいずれにおいても顧客との窓口を失う可能性が高まり、地位の相対的下落は免れませんが、これまでのメーカーファイナンスにおいて、債権の流動化によりかかわっていたように、決して金融業者としての存在意義がなくなることはないと思います。

 

例えば、上記の資金決済法に係る供託に代えて、一定の要件を満たす銀行による保証保全契約の締結により代替できる規定(法15条、44条)があります。

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これにより、保証料を支払うことで、供託の義務を免れ、事業者に一定の信用事由などがあった場合は、保証銀行が代わりに供託金を供託します。

これには、実質的に、事業者が銀行からデットファイナンスを受けているのと同様の効果が期待できます。

銀行から借り入れ等を受ける場合と比較すると、①資金使途の縛りが緩い②明確な返済期限がない、などの優位性があると思います。

 

hiroki0412.hatenablog.com

 

このように、様々な企業がFintechを用いて金融サービスを行うチャンスが生じており、既存金融機関としては、事業者が生み出すサービスを踏まえて今後のかかわり方を柔軟に変えていかなければなりません。

欧米的な分類に依拠すると、商業銀行業務依存の強かった日本の金融は、マイナス金利やFintechの浸透により、投資銀行業務への注力を余儀なくされるのではないかと思います。

 

決済サービスのイノベーション―資金決済法で変わるビジネス・生まれるビジネス

決済サービスのイノベーション―資金決済法で変わるビジネス・生まれるビジネス

 

 

実務解説  資金決済法〔第3版〕

実務解説 資金決済法〔第3版〕

 

 

 

*1: 図は、2016年1月時点で作成されたものであり、すでに2年が経過しているためプレイヤーは増加しているはずですが、サービスが立ち上がって来ているビジネス領域としてはあまり変わっていないので全体間の共有として引用しました。

*2:供託・保全契約は1週間ごと、信託契約は毎営業日ごと

*3:ただし、滞留している資金と還付手続に必要な資金の合計額が1,000万円以下の場合には1,000万円が最低要履行保証額になります。